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Channel: 屍者の帝国 - 妄想科學倶樂部
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屍者の帝国 用語集I

ネタバレになるので、ひとまず既に発表済の伊藤計劃遺稿分のみ。→目次プロローグIウェストコート三つ揃えのスーツに於いて上着の下に着る袖なしのベスト。→Google:画像:ウェストコートウェイクフィールド英人名だが、1878年当時に20歳前後となる著名人に該当なし。現実とのリンクなしか。1888年生まれの怪奇小説家ハーバート・ラッセル・ウェイクフィールド、あるいは1835年発表のナサニエル・ホーソーンの...

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屍者の帝国 用語集II

→目次第一部IRebooting…フライデーの汎用ケンブリッジ・エンジンと拡張エディンバラ言語エンジンの起動。ラジャバイ時計塔1874年に開校したばかりのボンベイ大学(現ムンバイ大学)図書館入口に付随する時計塔。英国の建築家ジョージ・ギルバート・スコット設計によるゴシック・リヴァイヴァル様式の建物で、塔の完成は1878年。ワトソンが目にしているのは恐らく落成直後のものだろう。→Rajabai...

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屍者の帝国 用語集III

→目次第一部IIカタコンベ地下墓地。元は初期キリスト教に於いてローマからの迫害を逃れる目的で地下に空洞を作り、礼拝や埋葬を行なっていたのが始まりという。辺獄死後の世界のうち、「地獄の周辺」をいう。キリスト教の正式な教義には含まれないが、「地獄に墜ちない屍者のいる場所」とされる。煉獄死後の世界のうち、「天国に行く前に罪を贖う場所」。地獄と同様に苦しみを受けるが、いずれ罪は赦され天国へ至るという。辺獄と...

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屍者の帝国 用語集IV

→目次第一部IVフローレンス:ナイチンゲール看護教育の推進者、医療衛生の改革者、英国に於ける統計学の先駆者。国内の病院を調査し看護婦に対する専門教育の必要性を訴え、またクリミア戦争に従軍し兵舎病院の不衛生に伴う死亡率の高さを改善。統計手法による分析とデータの視覚化により改善すべき点を明示し、国内のみならず各国の病院統計のモデル形式を整えた。三原則ワトソンの提案は無論、2058年の「ロボット工学ハンド...

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屍者の帝国 用語集V

→目次第一部VI界博物学上の最上位分類。18世紀にリンネが体系化した時点では動物、植物、鉱物の3界であった。もっとも、ここではルビが振られているように、多分に「王国」の意味を被せており、相の入れ替わりを中央アジアの政治情勢の入れ替わりなどに重ねたものだろう。チトラール帽アフガニスタン国境付近のチトラールで主に見られる、鍔のない帽子。(画像ムジャヒディンアラビア語で「ジハドを行なう者」。イスラム教の大...

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屍者の帝国 用語集VI

→目次第一部VIIIロバート・ウォルトン英国で1818年に組織された2つの北極探検隊のうち、極点到達を目指した隊の船長。衰弱したヴィクター・フランケンシュタイン博士を発見、姉に宛てた手紙に会話の内容を書き残している。バヴァリアインゴルシュタット大学の存在するドイツ・バイエルン州の英名。ストランド・マガジン英国の月刊大衆誌。シャーロック・ホームズシリーズの3作目、「ボヘミアの醜聞」を掲載し人気となり、...

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屍者の帝国 用語集VII

→目次第二部Iショーグネイト「幕府」という、将軍=軍事指導者を最高権力者とした封建体制は世界的に見て極めて異例のものであり、一言で表し難いこの政治体制を英語では「将軍制」とでもいうべき、Shogunateという造語で表わす。ハリー・パークス駐日英国公使(1828-1885)。神戸港開港要求に始まり主に幕府を中心に交渉に当たり、戊辰戦争に於いて江戸城に迫った政府軍に圧力をかけ無血開城へ導いたともされる...

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屍者の帝国 用語集VIII

→目次第二部Vファルケンシュタイン城バイエルン国王ルートヴィヒII世が構想した山頂の宮殿。史実では資金難から道を整備したのみに留まり、その後国王自身の死により未完のままとなったが、本作世界では王は死んでおらず宮殿は完成しているようだ。これもまた、織り交ぜられた架空存在のひとつである。ルートヴィヒII世第4代バイエルン国王(1845-1886)。王としての執務を嫌い多数の宮殿建設に国庫を浪費したことで...

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屍者の帝国 用語集IX

→目次第三部Iポール・バニヤン米国の入植者間のほら話に登場する樵夫の巨人。靴の中に溜まった砂をぶちまければ山脈ができ、水をひっくり返せば大河ができる。青い巨牛ベイブを引き連れている。ウィリアム・シュワード・バロウズ米国の発明家、起業家(1857–1898)。キー入力式加算装置を開発し計算機市場を開拓、後のユニシス社となる企業を率いた。孫に同名のSF作家がいる。ミリリオン10の3003乗。企業の性質か...

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屍者の帝国 用語集X

→目次第三部VIロンドン塔テムズ川岸に建つ古城。最初に建てられた城閣部分がタワーと呼ばれていたため、増築後も全体を指して「タワー」と称するが、語の意味に反して塔ではなく城である。→全体図ホワイト・タワー最初に建築された3階建ての城閣。13世紀には漆喰で白く塗られ、故にホワイトタワーと呼ばれる。城の中心であり文字通り最後の砦であるこの塔はロンドン塔全体の中で最も堅固な構造であり、王の居室にして兵舎、武...

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屍者の帝国 用語集 目次

屍者の帝国作者:伊藤計劃,円城塔出版社/メーカー:河出書房新社発売日: 2012/08/24メディア:単行本購入: 43人 クリック: 1,717回この商品を含むブログ (191件)...

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ゾンビと倫理

伊藤計劃×円城塔「屍者の帝国」を読み終えた。屍者の帝国作者:伊藤計劃,円城塔出版社/メーカー:河出書房新社発売日: 2012/08/24メディア:単行本購入: 43人 クリック: 1,717回この商品を含むブログ (158件)...

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ハイチ革命に於ける独自屍者技術の介在可能性について

1791年から1804年にかけて、フランス及びスペイン領であったイスパニョーラ島に於いて発生した、所謂ハイチ革命は、最終的には黒人奴隷による独立を以て終焉した。総数こそ島民に分があったとはいえ、当時ヨーロッパ随一の精強を誇ったフランス軍が碌な武装も持たぬ筈の反乱軍に敗退した事実は大きな衝撃を以て迎えられた。表向きの敗因は、フランス軍側に蔓延した黄熱病ということになっている。しかし今日では、この病がヒ...

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屍者の帝国 劇場版を原作と比較して

劇場版「屍者の帝国」を観てきた。多数の史実虚構を織り交ぜ、数ヶ国を横断して繰り広げられる複雑で壮大な物語を2時間に落とし込むという難題によく応えた作品だが、そのために削り落とされてしまった部分が多いのは、致し方ないこととはいえ理解を難しくしている感は否めない。そもそも原作は無数の外部参照で成り立つ衒学的小説であり、つまりは盛り込まれた情報量に対し圧倒的に説明が少ないのだが、それでも物語上重要な情報に...

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劇場版を見る前におさらいする屍者の帝国

「原作未読で今から読める気がしないけど映画を見に行こうと思ってるので勘所だけ押さえた解説が欲しい」人のための、あるいは「原作未読で映画観たんだけどよくわからないところが色々あるので簡単な説明が欲しい」人のための、ちょっとした記事を書いてみた。解説するのは映画に登場しながら説明されていないモチーフだけで、ストーリーについては基本的に触れないが、それでもネタバレは含まれざるを得ないのでその辺注意。なお、...

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日出処の屍者

屍者労働社会に於ける目下の問題は、社会の高齢化である。労働力として重宝されるのは若く壮健な肉体だが、自然死は当然ながら老齢のものが多く、それらは肉体機能が低下した状態で提供される。かといって、若い肉体であっても事故死では肉体の損壊著しくまともに利用できない。皮肉にも、高齢化すなわち平均余命の上昇をもたらしたのもまた屍者であった。肉体を酷使する長時間単純労働が屍者に置き換わったことにより下級労働者の余...

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伊藤計劃の遺した屍者の帝国

劇場版アニメの評価が、賛否両論著しい。「原作たる円城塔版から改変された部分」もさることながら、「伊藤計劃自身の書いた冒頭を削ぎ落とした」として批判が少なくないようだ。元より伊藤の遺した冒頭部分とプロットとも言えぬメモ程度から書き起こされたものとはいえ、「冒頭と違う」から(プロジェクト伊藤計劃としては)駄目だ、というのであればそれはむしろ屍者の帝国に対する伊藤の影響力を冒頭の文章それ自体にしか認めぬ謂...

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